キャンベルタウン野鳥の森

 

’98年8月12日  『キャンベルタウン野鳥の森』(埼玉県越谷市大吉)に行って来ました。

この施設には、越谷市と姉妹都市提携した オーストラリアのキャンベルタウンから贈られた 二十種余りの野鳥達が飼育されています。
県の旅情報誌の紹介文には3000uとありましたが、 大きさは、う〜ん、見たところ体育館くらいといった感じでしょうか。 “野鳥の森”と言っても、正直そう広くはありません。 でも、鳥達が姿が隠せるほどには木々も生え、池やそこへ注ぎ込む小川もあって、 ちょっとした公園という感じに造られており、 人間はこの中の遊歩道を歩きながら、(一部を除いて)自由気侭に飛んでいる 自然に近い状態の鳥達の姿を間近で観察することが出来るのでした。
この施設の目を引くところは、 公園全体が細かい目の網ですっぽりと覆われていること。
付近まで行けば、まず迷うことはないというくらいに目立つ存在で、 私は遠くから見付けた時、思わず 「おぉ!すごいじゃないのっ!」と叫んでしまいました。



オカメの樹

私が一番心踊らせたのは、 この「オカメの樹」(勝手に命名)でした。
だってこんな風に群れで木にとまっているオカメインコを見たのは 初めてでしたから・・・。
オカメは、オーストラリアでは野鳥なんですねぇ。
そうは思っても、私にはどうしても不思議な光景のような気がして、
長いこと、このオカメ達に見とれていました。

仲良しオカメ

ここにいたのは、すべてノーマルオカメ。
頬の黄色が濃い方が雄、尾羽の一部に縞があるのが雌ですね。
カップルは何組かいて、 それは仲睦まじく寄り添いながら羽繕いし合っていました。
繁殖はするのかな? 飛翔力もなかなか見事でした。

レインボーロリキート

私達にとっては馴染みのある、あのレインボーロリキートもいました。
昨年の夏に行った『行川アイランド』とは違ってここでは眺めるだけでしたが、
(『ときどき日記』8月13日と、同ページ内『秘密の頁』参照)
数羽で高いところを輪を描いて飛んだり、
網の天井に近い部分にへばりついたり呼び合いをしたりと、
また違った姿を楽しむことが出来ました。

オーストラリアイシチドリ

あんまり動作が可笑しくて目が釘付けになってしまったのが、
この鳥、オーストラリア・イシチドリ。
日本のチドリのように足早にチョコチョコッと走ってはピタッと止まるといった、
そういう動きは同じなのですが、何せ図体が日本のと比べると数倍デカい、 もとい大きい。
近くにいる私には目もくれず、いったいどこの何を見てるんだか、
一点を凝視しながら長い足で走って来るその姿は、 滑稽というかユニークというか・・・。

オーストラリアイシチドリ三羽

それは鳥というよりも、映画 『ジュラシック・パーク』 に出てきた、
群れで立って走って来る小柄な恐竜を思わせる、そんな感じなのです。
鳴き声もさえずりといった風情とはほど遠く、まるで悲鳴のようで、
クチバシを大きく開けて鳴く様子は何かを訴えているよう。
いくら見ていても飽きなくて 「変な鳥」「おもしろーい」を連発しながら、
いつまでも目を離すことが出来ませんでした。

キバタン

上手に足を使って何やら食べているこの鳥は、キバタンです。
大きいオウムは他に、薄い桃色のクルマサカオウム、
尾羽だけ赤くて身体は真っ黒のアカオクロオウムがいましたが、
みんなオウム舎の檻の中で、ちょっとがっかり。
遊んでもらいたかったのになー。

レンジャクバト  ベニカノコバト

四種類の鳩がいました。
写真左は、オカメのように冠羽があるレンジャクバト。
右は、日本のキジバト似のベニカノコバトで、
側にいた雌にディスプレイ(求愛行動)してるところです。
日本では天然記念物に指定されており、石垣島、宮古島、西表島などにしか
棲息していないというキンバトもいたのですが、 残念ながら写真に撮り損ないました。
クチバシが赤く翼が金緑色に光った、小さくて可愛らしい鳩でした。
いるはずのシロガシラカラスバトは、 とうとう最後まで発見できず仕舞いでした。

オナガキンセイチョウ  シマコキン

写真左がオナガキンセイチョウ、右がシマコキン。
スズメくらいの大きさで、フィンチ類はこの二種だけでした。
フィンチ4科(ホオジロ科・アトリ科・ハタオリドリ科・カエデチョウ科) の中の
ジュウシマツやブンチョウと同じ、 カエデチョウ科に属している鳥です。

オーストラリアでオカメインコが野鳥であるように、 コザクラインコもアフリカでは野鳥なんですよね。 群れをなして大空を飛んでいる姿を、一度でいいから見てみたいものです。
コザクラは、崖の上に営巣したり、他の鳥の古巣を占領したりするんだそうで、 そう言えば確か地域によっては穀物を食い荒らす害鳥だとも、 飼養管理士の教本には書いてあったっけ。
と、地球の裏側に思いを馳せながら、ここの鳥達を見ていました。
あぁ、桃にもこんな広いところを思い切り飛ばせてやりたいなー!
そうしたら、色々と実験してみたいこともあるんだよなぁ。
もしももしも、この施設の中に桃を放したとしたら・・・。
  ・桃には、いったいどのくらいの距離を飛べる力があるのか。
  ・呼んだらちゃんと私の元へ飛んで来るだろうか。
  ・他の鳥さん達とは仲良くお付き合いが出来る?
  ・私にくっついて離れなかったら、ちょっと嬉しいかもかも。
な〜んてあれやこれやと想像するのも楽しくて・・・。

そうそう、ここって冬はどうするんでしょうね?
野生の鳥さん達に暖房は必要無い? だいたいこのスカスカ網じゃ、暖房しようにも・・・ねぇ。
途中でフィルムが無くなっちゃって撮り損ねた鳥 (ブロンズトキ・キンバト・キンショウジョウインコ)もいることだし、 また次回行ったら聞いてみましょ。

鳥に餌を与えたり触ったりというスキンシップは出来ませんが、 私はそれなりに充分楽しめました。一時間は悠に居たんじゃないかな。 自由に飛んでるオカメインコを見られただけでも価値ありと思いましたし、 市の施設ということで何といっても入場料が安い、100円です。
どうでしょ? 一度行かれてみては?

この日の収獲・・・光沢のある緑がかった黒っぽい大きな羽1枚。
           これって誰の? ブロンズトキさんのかな?


無いと思ったフィルム、実は施設を出て車に戻ったらあったんです。 そんなぁ〜 (;_;)
  コラーッ! 誰だっ、フィルム係は!!


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