桃ちゃんの危ない話
昔々、辛い別れを経験した事があります。
私や家族の不注意で死なせてしまったコ達。 今思うと、あの頃は動物を飼うということを甘くみていました。今だったら、 とても考えられないようなミスで死なせてしまい、息が出来なくなるくらい泣いて 泣いて・・・。 十年以上も前のことなのに今だに夢でうなされるほど、この出来事は私の中で トラウマとなってしまいました。自分を許してはいないのですね。
二度と同じ過ちは犯したくない。そうでないと、死なせてしまったコ達に申し訳ない。 私は、桃を大切にすることで償いをしているつもりでいることに気付きました。 だから桃に対して十二分に事故の無いよう気を付けています。 それでも、やはり事故は起きてしまうのです。

ここでは、私の身近で実際に起きた・聞いた話、それから私自身の失敗談をご紹介 したいと思います。内容が内容だけに、読まれて悲しい気持ちにさせてしまったら ごめんなさい。でもこれを読んで「こういう時に事故が起こるのか、気を付けよう。」 そう思い出してもらえて大切な鳥達が危ない目に会わず、皆さんが私の様な悲しい 思いをせずにすめば・・・。そして、私と同じく過失致死罪を背負って苦しい思いを なさっている方には「自分だけじゃないんだ。」と少しでも楽になって欲しい。
そんな思いで書いてみました。

身近で起きた・聞いた死亡事故

ベランダにカゴを出したまま外出、激しい夕立に遭わせ落鳥。

炎天下、ベランダに籠を出しっぱなしで落鳥。

新聞紙やチラシの下で鳥が遊んでいるのに気付かず、その上に人が腰掛け落鳥。

台所で煮立った鍋に飛び込み落鳥。

自分を追ってくる鳥に気付かず戸を閉めた為、挟まり落鳥。

窓が開いてることに気付き慌てて思い切り閉めたところに、運悪く鳥が飛んできて 挟まり落鳥。

陶器の置物に鳥がとまろうとして滑り、一緒に落ちた置物の下敷きになって落鳥。

餌箱の中の餌が、実は殻だけになっていたのに気付かず落鳥。

鳴き声がうるさいと物置にカゴを一時的に入れ、その後忘れて数日間放置、落鳥。


十数年前に我が家で起こした死亡事故

餌切れが土日にかかり購入出来ず、ストックもおいていなかった為、ボタンインコ の番(つがい)、二羽を死なせました。
鳥が、餌を一日食べないだけで命を落としてしまう生き物であることを知らなかったの です。勉強不足でした。空の餌箱を嘴で叩く音が今でも忘れられません。

コザクラインコの番が育雛中、餌の補給が充分でなかった為、雛を三羽全て死なせ ました。
これも餌の不足が原因でした。親が雛に餌を与えたくても与えられなかったのです。 本当に可哀想なことをしてしまいました。

一緒に眠るほどよくなついていた、我が家で生まれたコザクラインコを妹が誤って 踏み死なせました。この時は、妹も私も半狂乱になりました。
「あんたを一生許さない!」と妹を強く非難したこの時、私はただ泣き叫ぶだけで、 恐くて事故の原因を聞くことが出来ませんでした。その後十年間、この話題は私達の 間でタブーとなり、死なせた原因を知ったのはついこの間のことです。妹も私と同じ ように夢でうなされるほど苦しんでいると知って、何故あの時慰め合うことが出来 なかったのかと悔やみました。

本当にあった桃ちゃんの危ない話

桃を手に乗せ、たたんだ洗濯物を箪笥にしまいに行った時のこと。 桃を畳の上に降ろし、私が箪笥の引き出しをあけた途端、 桃が悲鳴を上げて飛び上がりました。 箪笥にアルバムが立てかけてあったのに気付かず引き出しを開けてしまったのです。 そして重いアルバムが桃の体の上へ倒れ・・・。 すばやく逃げてくれたから何事もなかったものの、恐い思いをさせてしまいました。

テーブルの上で桃が紙をカジカジしているのを確認しながら家事をしていたところ、 振り向いたらもう次の瞬間桃は私の足元にいて見上げてました。 もし知らずに一歩後ろに下がっていたらと思ったら、妹の起こした事故が蘇りゾッと しました。

やはりテーブルの上で紙をカジカジしていた桃が、台所に立っている私のところへ 飛んで来た時のこと。ちょうど包丁を使っている時だったので、私は気を付けなければ と包丁を持つ手を止めました。ところが、突然、桃の目が開かなくなってしまったの です。固く閉じた瞼はムニュムニュ動いて痛そうにしています。 そうです、私はタマネギを切っていたのでした。 私は慌てふためきながら手を洗い、桃をその場から離しました。 幸いにも1〜2分で目は開き、何事もなかったように元気な桃に戻りましたが 「ごめんよ〜、ももぉ〜、痛かったねぇ。」私は桃にたくさんたくさん 謝ったのでした。

1997年3月追加
また桃を危ない目に合わせてしまいました。原因はガムテープです。
桃のすさまじい悲鳴に駆けつけその姿を見た時、私は思わず息を呑みました。 ガムテープが、桃の羽にべったりとくっついていたのです。 大きく広げた右翼は、羽一枚一枚がしっかりテープに張り付いていて、 桃は体半分身動きが取れず必死にもがいていました。 それは正に「ゴキブリホイホイ」ならぬ「桃ちゃんホイホイ」状態。 (今だから言えるこの冗句)  翼を傷めることもなく羽を少し切っただけで大事には至りませんでしたが、 ガムテープのついた場所が、もし目や首の辺りだったら と思うと身震いしてしまいます。 この後、ガムテープは桃の部屋出入り禁止となりました。
肝を冷やしたこの事件の顛末は、 『桃ちゃんのときどき日記(2/15)』  に詳しく書きました。


部屋の中にも意外と危険が潜んでいるもの、 そして小さな鳥にとって人間は怪獣と同じです。 事故を防ぐ為には、まず鳥をカゴから出したら決して目を離さないこと、 これが大原則ですね。けれどそれでも起きてしまう予期せぬ出来事。 事故で命を落とす鳥達を嫌と言うほど見ている獣医さんの  「カゴから出さないのが一番安全!」 のお言葉はもっともです。 でも桃と一緒に遊べないなんて、抱っこもキスも匂いかぎも出来ないなんて、 そんなの寂しすぎます。(だいたい桃が黙っちゃないでしょう)
人間の勝手で可愛がる以上、命も精一杯守ってあげなくちゃ、そう思います。


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