ヒヨドリ VS ツグミ  〜縄張り争い〜

 

冬のある日、自宅から車でほんの数分の所にある 『霞ケ浦総合公園』 で、 ヒヨドリとツグミが争っている場面に偶然出くわしました。
カメラを構えてずんずん近寄っていっても、 当人達は闘うのに夢中で私達にはまったく気が付きません。
右がヒヨドリ、左がツグミ。さてさて、軍配はどちらの手に・・・。


 

 
 ヒヨ) ちょっとあなた、見慣れない顔ね。
     どこのどなた?

 ツグ) 僕は冬の使者、ツグミだよ。


 
 ヒヨ) ここはあたしの縄張りよっ。
     あっち行ってちょーだい!

 ツグ) な、なんだよ、いきなり〜。


 
 ヒヨ) んまぁ、まだいたの。
     わからない人ねっ。

 ツグ) だってここはみんなの公園だろ。


 
 ヒヨ) そんなことはどうだっていいのよ。
     あっち行ってってばっ!
     キーーッ!!

 ツグ) ひぇ〜、怖いよ〜。


 
てなことを言ってたのかどうかは定かではありませんが、 勝負は最初から最後までヒヨドリ優勢のまま終わりました。
尚、ヒヨドリもツグミも、見た目ではオスメスの見分けがつかないので、 勝手に私が脚色いたしました。
(私としたことが、気付いたら「ここはあたいのシマなんだよ」 なんて凄い台詞を書いてて、あぁビックリ!)

 

 
これは、ヒヨドリの糞。
ツグミを追い払ったあとで ヒヨドリが駄目押しのように落として行きました。
分解してみると、植物の種らしきモノが・・・。 ヒヨドリは実を丸ごと飲み込むので、 消化されなかった種はこうして排泄されるのです。 これは植物にとっても、種を遠くに運んでもらえて好都合。

実は、我が家のベランダの“万両”も、 元はといえば実家の庭の隅っこにいつのまにやら芽を出していたもの。 きっとこんな風にヒヨドリが、 種を糞ごと落としていったものなのでしょう。
そうして我が家のベランダに連れてこられた万両も、 やっと実った赤い実は、やはりヒヨドリに持って行かれたのでした。 そう言えば前日、ヒヨドリが一羽、様子を見にきてたんですよねぇ。 一夜にして全ての実が消えていたのはショックでしたが、 餌の少ない真冬のこと、それも仕方ないでしょう。 それに食べられてしまった実が、 また同じようにどこか知らない場所で芽をだしているのかもしれないと思うと、 なんだかちょっぴり楽しくなってくるのでした。

1998年3月記    

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