お外を見る見る 檸檬 |
我が家から道を二本隔てた向こうに、団地内の幹線道路が走っているのですが、
ここを車が通過して行く時、檸檬の冠羽は変化します。
サッと垂直に立ち、その後、ス〜ッとゆっくり元に戻っていくのです。
スズメが数羽、窓の外を通り過ぎていく時なんかもおんなじ。
(でもこれがカラスとなると、冠羽だけではすみません!
大きな黒い影がサッと横切るや否や、檸檬は柚と一緒にパニッ〜ク!!
凄まじい勢いで部屋中ぐるぐる飛び回り、そりゃもう大騒ぎさ!)
オカメっていうのは、冠羽の動きが心の中そのまんまを物語っていて、ホント面白いんです。
ところが、ある日のこと、冠羽よりももっと傑作なことが起こりました。
いつものように外の景色を眺めていた檸檬が、突然、身体を左右に揺らし始めたんです。
そう、これはオカメインコの 『威嚇のポーズ』 。
私は、急いで檸檬の隣に顔を突き出し、窓から外を見下ろしました。
「どした? なんか怖いものでもいた?」
いったい何だったと思いますか?
私は、笑いが止まりませんでした。
その頃、我が家の向かいの家は完成したばかりだったのですが、
大工さんが数人、残った資材やら何やらを、ちょうどトラックに運び入れていたところだったのです。
檸檬は、そのおじさん達に向かって、一生懸命、身体をユ〜ラユ〜ラさせていたのでした。
「れもち〜ん、あんたなんか小っちゃくて、おじさん達には見えてないって!」
愉快なコだね、お前は。
檸檬は、今日も外を見ています。
昨日も見てたし、きっと明日も見るのでしょう。
あんまりお外の世界に思いを馳せないで欲しいなぁ。
そんなことを考えながら、檸檬の美しい背中を見つめる私なのでありました。 (2001.6記)
いつかきっと・・・。
いつかきっと、
お外の世界へ、あの大空へ、羽ばたくわ!
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