柚桃ちゃん 病院へ行く 2 (前編)



つい先月、病気が治ったばかりの柚でしたが・・・。
 *4月に入った頃から、今迄黄土色だった糞が急に緑色に変わった。
 *食欲が前に比べると少し落ちた。(体重も少し減った)
この二点がどうにも気になって気になって・・・。
毎日思うことといったら、 “柚に何かあったらどうしよう・・・めそめそ” ってそればっかり。
だったら、とっととお医者さんに行って来ーい! ということで、 行って参りました。
以下がその顛末です。


1999年4月24日(土)

「オカメの糞はこういう色よ。うん、固さもいいわね」
先生は、あっさりとこうおっしゃいました。(^_^;あれっ?

穀物餌を食べてる鳥の正常な糞は、緑色とのこと。 (ペレットが主食の桃の糞は、黄土色)
色が変わったのは、 今迄は “雛便” と言われている糞(白っぽい)だったからなんだそうです。
いやー、“雛便”なんて、初めて聞きました、私。
それから食欲が落ちたのは、 食べ盛りの時期を過ぎて大人になってきたからなんですって。
「人間も中学生の頃はいっぱい食べるでしょ?」
ごもっともです。
あーあ、嫌になっちゃう。まだまだ知らないことばっかりだー。
安心して気が抜けちゃった。
体重測定の結果は85gで問題なし。
(今回はプラケースの中には入らずに、 いいコで測定できたんだよ〜ん。\(^_^)/ )
「このコは骨格がしっかりしているからもう少しあってもいいかな。
 これからも減っていくようじゃ困るけど、 今のまま維持していけばいいですよ」

と言っていただけました。
ということで、
「見た目、心配無いと思うけどねぇ」
という先生の言葉と共に、そのうと糞の検査が始まりました。

あぁ、これで終わっていたら笑い話ですんだのに・・・。

         どんでんがーえし!!

いたんです! 糞になんと 「原虫」 が!
それも動き回ってる虫の他に、 “シスト” というサナギ状のものがわんさかと。 (;o;)わーん
なんてったって先生が、
「来て来て! 見てごらん、凄いよ!!」
と他の先生を呼んだくらいですから・・・。
先生の説明によると、動いてる虫は薬で殺せるけれど、 シストには効かないんだそうで、 その上厄介なことに、シストって奴は糞の中でもずっと生き続けるんだそうです。
せっかく柚の体内から排出されてキレイになっても、 糞を口にしてしまったら元の木阿弥・・・。
「長くかかります」
と言われてしまいました。
まったくオカメっていうのはどうしてこう・・・。
(コザクラには感染しないそうなので、その点だけは安心しました)
そういう訳で二週間分のお薬を頂いて、再び闘病生活に入ることになりました。

また病気になっちゃったんだって、私

また病気になっちゃったんだって。


先生の話では、「原虫」 はどんな所にもいるということだったけれど・・・。
以下、帰路車中での夫婦の会話。
夫 「実はさ、怪しいと思ってる所が一つあるんだけど・・・」
私 「えっ、どこどこ?」
夫 「桃ちゃん達の部屋の絨毯」
私 「あーっ、あそこは悪の温床だわ。一年中あったかいしね。
   桃達の糞や餌のカス食べて、ダニやなんかが絶対繁殖してるよ。
   柚、絨毯の上歩きながら落ちてる餌とか拾い食いしてるし確かに怪しい・・・。
   あ、そう言われてみると私にも思い当たる物が一個あるぞ」

夫 「え、何?」
私 「柚が乗ってカジカジナメナメして遊んでる洗濯干し。
   一個、すんごい古くてサビててババッちいのがあるじゃん」

夫 「すぐ捨てなっ!!」
私 「あとさ、柚のお家の中に吊るしてる藁みたいなので編んだカゴ、
   気に入ってカジカジ破壊してるから、あれも熱湯消毒した方がいいかも・・・」

夫 「そうしなそうしな!!」
という訳で、翌日早速、柚の糞が付いてる物、一切合切の熱湯消毒と、 絨毯を掃除機でガーガー、プラス気になる所の改善を行いました。
にしたって見えない敵が相手だからなー。気休めかも・・・。

もう一つショックだったこと。
帰った早々、柚が肩の上で「クシッ!」とクシャミをした途端に、 私の顔に冷たいしぶきが・・・。
         オーマイガッ! 何たることっ!!

「鼻水はありません!(きっぱり)」
と先生に言い切ってきたばかりだというのに・・・。
やっぱり柚は具合が悪かったの? ごめん、気付いてあげられなかったよ。
とんちんかんな心配だったけど、 結果的には獣医さんに連れて行ってやれて良かった。
じゃなきゃ、どうなっていたことか・・・。
頑張って、また病気治そうね。

次回の診察は、(特別具合が悪くならなければ) 5月8日(土)の予定です。

柚ちゃん、頑張るからね

柚ちゃん、頑張るからね!



今日は、桃ちゃんのお誕生日でした。5歳になりました。おめでとー!
せっかくのお誕生日が、柚ちゃんの通院で独りぼっちのお留守番になっちゃった。ごめんね。
(私信:じらもおめでとおめでとー!パチパチパチ・・・)


5月8日(土)

駆虫と抗生物質のお薬を飲んで二週間。
予定通りの通院になりました。

今回は、体重、食欲、共に問題が無かったので、 『柚ちゃん病院へ行く 1』 の写真 のように、24時間明るくして新聞紙を敷いたその上に餌を蒔いて、 ということはしませんでした。
先生の指示は、糞によって排出されたシストを柚が再び口にしないよう、 しっかり糞切り網で糞を切って、とにかく清潔にということだったので、 一番に心掛けたのは清掃でした。
しかし、私はまだまだ甘かった。
待合室でご一緒した、やっぱりオカメに原虫が出たという飼い主さんは、 カゴや止まり木などを熱湯で毎日消毒したんだそうです。
それでも完全に駆除するのには、二ヶ月三ヶ月かかったんだとか。
「えーっ! 私、そこまでしなかったです。どうしよう・・・」
「大丈夫、大丈夫」
慌てふためく私を、その飼い主さんは優しくなだめてくださったけれど・・・。
あぁ、私の愛情なんて、まだまだなんだなぁ。

さて、柚の順番になりました。
「どうですか?」
「食欲、元気はあるんですけど、 今朝、クシャミしたら鼻水がビシャッと出まして・・・」
「あらー、今頃それじゃ困ったわねー。弱いなぁ〜」

 えーん、先生、本当は二週間前にも鼻水はあったんですー。
 でも、そんなこと、今更言えない・・・。  (保身に走る 飼い主心の声 パート1)

例によって、まず体重測定から始まりました。
「えーと、このコはお利口に出来るんだっけ?」
「この間は何とか大丈夫だったんですけど・・・」
「こんなに身体がこわばってるんじゃ、どうかなぁー」
先生はそう言いながら、手の中でもがいてる柚をそっと体重計に乗せました。
もう家では、私の指からトンと静かに計りに降りて、 落ち着いて測定出来るようになった柚。
だけどそこは、筋金入りの臆病者の柚のこと。
慣れない場所で、まして身体を捕まれた状態からは、 なかなか難しいものがありますねぇ。
それでも何とかかんとか、今日もケースに入らずに体重が測定出来ました。(^_^)
「よし、88g 増えたわね」

次は、鼻詰まりの検査。
先生は、柚の左右それぞれの鼻の穴に、 透明な液体を一滴二滴垂らすとおっしゃいました。
「んー、右が全然入っていかないなぁ」
「そうですか・・・(ガックリ)」
そして、いよいよドキドキの糞便検査です。
「うん、こっちはきれいですね。シストも無いです」
「あぁ、良かった。(ヤッタヤッターッ!)」
気分は、まるでジェットコースター。
いやー、だけどシストまでいなくなってたなんて、良かった良かった。
しかしながら、柚には “虫はすぐ落ちる、でもまたすぐに出る”  という暗い過去があるので、今回は念入りに駆除することに。
「もう二週間、駆虫の薬を出します。 それと、今迄の薬にも抗生物質は入ってましたけど、
 今日からは鼻水に効く抗生物質に変えますね」

ん? ということは・・・、4月24日の時点で、 私が柚の鼻水にちゃんと気付いていれば、 初めから薬が違っていたっていうこと??
そしたら、もうとっくに治っていたかもしれないっていうこと???
あっちゃー、こりゃしまった! 柚、こんな飼い主でごめんよぉ〜。

ここで一発、私は初心者丸出しの質問をしてしまいました。
「先生、虫がいることと鼻水って、関係あるんでしょうか?」
「直接は無いです。 でも虫で体力が落ちて(鼻水が出る)っていうことはあります。
 前の日に一回外に出したら急に鼻水が出た、って連れてくる人もいるしね」

それを聞いて、私は或る事に思い当たりました。
この季節、普通ならもうとっくに暖房を切っている我が家の鳥部屋。
でも今年は、柚の為に28〜29度を保っています。
実は私、その鳥部屋と23度しかないリビングとを、 このくらい平気の平左と軽く考え、 柚(それもよりによって虫持ちの)を肩に乗せて、 行ったり来たりしていたのでした。
そういえば、“病鳥に5度以上の急激な温度差はダメージが大きい”  って何かの本に書いてあったような・・・。当たり前だよね・・・。(しょぼん)

 えーん、先生、鼻水の原因はきっとこれです。
 でも、そんなこと、とっても言えない・・・。  (保身に走る 飼い主心の声 パート2)

もう一つ、ペレットについて教えていただいたことを書き留めておかなくってば。
柚のような成長期のヒナには、 『メンテナンスタイプ』 よりも 『ハイエネルギーブリーダータイプ』  の方が栄養的に望ましいということで、 現在、柚には穀物餌に 『ハイエネルギーブリーダータイプ』  を混ぜて与えているのですが、 いつ頃まで与えたら良いのかを先生にお聞きしたところ、 第一回目の換羽(とや)が終わるまで、ということでした。 とすると、あと2〜3ヶ月ってところかなー。 (柚の場合、雌雄判別もその頃です。 新しい羽が生え揃っても今のままなら女の子。 尾羽が黄色い縞がなくなって灰色一色に、 灰色だったお顔が黄色になったら男の子。どっちかな。ワクワク)
それと成鳥であっても換羽期の鳥は、 羽を作る為に通常よりもタンパク質が必要なので、  『ハイエネルギーブリーダータイプ』 を与えた方が良いということも教えていただきました。
おぉー、ちょうど桃が今、ツンツン羽だらけの換羽真っ最中なんだわ。
帰ったら、早速入れ替えてやろうっと。

それにしても、患者っていうのは、 お医者様のひと言ひと言に一喜一憂するものですね。
この日、最も私の耳に残ったのは、 つぶやくように先生が言った、「弱いなぁ〜」 でした。
弱いのはオカメ全体? それとも 柚個人? どっちだったんだろか・・・。
それからまた、診察の最後にかけてくださる先生の言葉に、 安心したり励まされたりしているのは、きっと私だけではないはずです。
「じゃ、頑張って治しましょう。お大事にね!」
先生のこの言葉を聞くと、ピッと気持ちが前向きになる気がします。
頑張らなくっちゃ、ってね。

次回の診察は、5月22日(土)の予定です。

ムシムシはいなくなったんだけど、鼻水が出るの。
それでね、お姉さんのお顔に鼻水いっぱいかけちゃうの。
そうするとお姉さんは「ひゃ〜っ!」て言って面白いの。

ムシムシはいなくなったんだけど、鼻水が出るの。
(柚ちゃんてさぁ、冠羽が無いと何だかちょっと変・・・)



シストを調べてみました。
シスト cyst : 原生動物や下等な動物が、 体表面に厚い丈夫な膜を分泌し、一時休止した状態にあるもの。  (中略) シストの状態にも、動物の種類によって色々あるが、 温度・湿度・寄生などの環境条件が良くなると、 再び活動を始めるものが多い。(旺文社 生物事典)
そう、先生にも言われたんです。 シストは、寄生しているもの(柚)が弱るのを待っているって。
憎き奴!許っせん!ギッタギッタにしてやるっ!  でも見えないんだな、これが。悔しーっ!!


5月22日(土)

あ〜〜〜〜〜〜〜〜、どよよん病だよ、あたしゃ。  くぅ、もう泣きたい・・・。(;_;)

柚は、虫はいなくなったけれど、相変わらずクシャミと鼻水。
体重も 83、84あたりまで落ちちゃうし。
「風邪は、早期に叩いておかないと慢性化して治らなくなりますので、
 ちゃんと治しておきましょう」

ということで、またお薬をいただいてきました。
これで治らなければ、次回は点鼻薬に切り替えるんだそうです。
「点鼻薬、差せますか?」の問いに、
「このコなら出来ると思います」と答えた私。 (桃だったらちょっと怪しい)
けれども点鼻薬による治療は、最終手段にしたいというのが先生の考えです。
それは何故かというと、人間嫌いになってしまう恐れがあるんだとか。成る程。
治療の為とは言え、柚の嫌がることは出来ることなら私もしたくありません。
だって、せっかくこんなに仲良しになれたんだもんね。
だからさ、柚。 何とか飲み薬で治ってよー。頼むよー。

そして今回は、桃も一緒に健診を受けました。
3月6日に行った 「そのう検査」 に少し問題があった為、再検査です。
( 『柚ちゃん病院へ行く 1』 の【追記】参照 )
残念ながら、桃の “そのう”は、 前の検査の時よりも更にネバネバ度が増していました。
その上、菌まで見つかって・・・。
「やっぱり菌が消えてないなぁ」
そうなんです。前回もわずかながら球菌という菌がいて、それについては、
「全くのクリアーではないけれど、治療を必要とするほどではないです」
と言われていたのでした。
先生は、桃のそのうから器具を取り出しながら、おっしゃいました。
「ほら、見えますか?」
桃の口と器具の間には、一本の透明な細い糸。
器具は桃の身体から離れていくのに、糸は切れずにどんどん伸びて行きます。
その長さは、約20センチ。おいおい、糸引き納豆だよ、これじゃ。
なんでも先生のお話では、そのうの中がこんな風に粘っていると、 気持ちが悪くて餌が食べられなかったり、吐くような動作をするんだとか。
桃には、そういった様子は見られませんでしたが、 更に糞にも、桿菌(カン菌)が見つかったこともあり、 お薬が処方されることになっていまいました。

         桃、お前もかーっ!!

「どうせまた(柚で)来なければならないんだし、 (桃にも)お薬を飲ませていいですか?」
という感じだったので、重症ってほどではないようではありましたが・・・。
あぁ、でも出るのは溜め息ばかりなりって感じです。参ったなぁ。はぁ〜〜
それにしても、こういう季節の変わり目って、 人間と同じで鳥達も体調を崩しやすいのでしょうか。
この日の獣医さんは、とっても混んでいて、 暖かい日だったからまだ良かったですけども、 待合室に入りきれない飼い主さん達(+鳥)が、 玄関前に座り込んで、長い待ち時間大変そうでした。

余談です。
この日、助手の先生にこんなことを言われました。
「このコ(桃)は、さっきから色々な鳴き方をしてますねー」
桃は、待合室でも診察室でも大きな声で鳴き通しで、 まー、そのうるさいことうるさいこと。
よその鳥さん達は、皆静かなので、 夫と私は申し訳なくて、変わる変わるに桃に話し掛けたり、 指であやして気をそらしたりと結構気を遣ったのですが、 桃は全然落ち着いてくれません。
なんだってこんなにハイになっちゃってるんだか。
以前、待合室で一緒になった飼い主さんに、 コザクラがどんな鳴き方をするのか尋ねられたことがあったのですが、 その時もやっぱり桃はこんな風にハイで、 まるで私達の会話を聞いていたかのように、実にタイミング良く次々と、 ありとあらゆる鳴き声をお披露目してくれたのでありました。
  「ピーヨピーヨ!」  「例えばこんな鳴き方ですとか・・・」
  「ツピッ!ツピッ!」  「こんなのとか・・・」
  「キュン!キュン!」  「こんなのとか・・・」
  「ウィウィ〜」  「ははは・・・(桃、そろそろいいよ)
  「ウキョキョキョキョキョ」  「・・・(^_^; (もういいってば)
と、こんな具合に。
他にも 「ギー(↓下がる) やら  「ホニャッ!(↑上がる) やら  「ジャッ、ジャッ!」
それから 「なんとかかんとか フスピー」 みたいに、 どうしたって文字では表せそうもないもの等々、 桃のレパートリーは本当に多彩です。
「お家の窓の外から、色んな音が聞こえてくるのかな?」
って先生は言ってらしたけど、そんなことも無いんですけどねぇ。

次回の診察は、6月5日(土)の予定です。  (あと何回通えばいいんだべか・・・)


私達、仲良く病気なの

私達、病気らしいんだけど、一応、元気にやってます。
(♪ 通院は続くぅ〜よ、どぉ〜こまでも・・・ 涙 ♪)



この日 「健康診断オフ」 なるものを体験しました。
お会いしたのは、小桜ちーちゃん、クロガミぱんたくん、そして飼い主さん。
メールでお知り合いになった方とお会いするのは、初めての私。
ちょっとドキドキでした。 (Uさん、有り難うございました)
あー、それにしても、お喋り出来る鳥さんってなんて愉快なんでしょ。
ちーちゃんもぱんたくんも、とってもお上手でした。パチパチパチ(拍手)
桃も一個くらい人間語話してくれないかなー。
鳥語がペラペラなのは、よーく分かったからさ。

後編はこちら!

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